マネジメントの序章から、私たちが普段思い描いている「マネジメント」の概念が誤っていることを示唆しています。
私たちの「マネジメント」「マネージャー」のイメージは「管理する人」「小うるさい上司」というイメージがあると思います。
確かに、多くの企業で採用されている誤った「成果主義」では、「マネージャー」は評価する人、指示を出す事と感じても仕方がないと思います。
しかし、ドラッカーが説く「マネージメント」は、一味も二味も違います。詳細は、後章で触れますが、
マネジメントは組織ではない。マネジメントは、成果に対する責任に由来する客観劇な機能である
とあります。つまり、マネジメントは、組織的な地位や役割ではなく、機能そのものであると言っています。そして、私たちが持っている「マネジメント」のイメージが大きく違っている点を4つ示しています。
【私たちの認識】
マネジメントは、生産性向上のための科学的な管理方法である。
【ドラッカー】
最適化に加えて、創造に関わり、企業家でなければならない。
【私たちの認識】
企業のためのマネジメントである。
【ドラッカー】
企業以外の組織をマネジメントして成果を上げなければならない。
【私たちの認識】
肉体労働者のためのマネジメントである。
【ドラッカー】
体系的な教育から学び取るもの、つまり、コンセプトと理論によって機能するものである。
【私たちの認識】
企業内のマネジメントである。
【ドラッカー】
グローバル、なマネジメントである。
どうでしょうか、イメージがつかめるでしょうか。私も、この意味は本文を読み進めないと理解できませんでした。どうしても、言葉は昔のイメージから脱する事は難しいからです。
この4っの誤解を言い換えると、
マネジメントは、人を管理して生産性を上げるための組織的なポジションではなく、成果(最も根源的な組織の目的、目標)を達成するために、創造性を働かせて、論理的思考を行い、他者を巻き込みながら成長する道筋を探すこと。
となります。
「マネジメント」で使用される言葉は、私たちが使う意味と少し違う部分があります。
特に、「成果」は、サラリーマンにとっては、あまり良い響きではありませんが、実は、経営者にとっても、社員であっても、同じもの(目標)であり、どちらかが成果を上げるものではなく、共同して成果を上げるものです。ここだけは押さえておいてください。
では、次は「Part1 マネジメントの使命」へと進んでいきます。
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