業務のキーパーソンの協力が得られない

業務改革は、従来の仕事の進め方を否定するように感じる方もいます。つまり、今までこのやり方で仕事をして来たのに、急に「ああしろ」「こうしろ」と言われて、自己否定されているような気分になるのです。

人間は、感情の動物です。しかも、感情は理屈では語れません。理屈では感情が収まりません。一度、拒否反応を示すと、なかなか協力を得る事が難しいものです。

しかし、単なる作業者であれば、後で、何とか機嫌を直してもらって、仕事をしてもらえばいいですが、キーパーソンである場合、そうはいきません。今までの事務で「肝」の部分が外部からは知る事が出来ずに、改革後に発覚して、大幅な制度変更に発展する可能性があるからです。

そんな時は、そのキーパーソンが望む事を、先に実現してしまう方法があります。

昨今のシステム開発は、アジャイル方式と言って、単機能の仕組みを作って、使いながら機能を充実される方法がとられています。だから、全体的にはそんなに重要な機能でなくとも、キーパーソンが必要だと主張する機能を先に盛り込んでしまうのです。

この戦術は、かなり高度な戦術です。システム全体を理解したうえで採用しないと、後から、キーパーソンの仕様が、ボディーブローのように効いてくる可能性があるからです。

非協力的なキーパーソンは、過去の経験から協力を拒んでいる可能性があります。多くは、社内SEであるため、上位下達、不本意な仕様でシステムを作らされて、その結果が思わしくない場合に、そのSEが尻を拭かされたなどの事件があったのかもしれません。

もしそうであるなら、まず、新しい仕組みの問題点を教えてもらうという態度で接すれば、心を少しづつ開いてくれると思います。そして、どうしても譲れない機能は、話し合いで、次開発以降に実装する旨で合意を取り付ければ良いと思います。たとえ、今、実装できなかったとしても、次回以降に実装される可能性があると思えは、溜飲が下がるものです。

キーパーソンは、今まで自分が行ってきた事を誇りに感じています。これは、とても素晴らしいことです。このような方は、業務改革の理念を理解して頂ければ、頼れる仲間になります。くれぐれも、単なる「扱いにくい人」で片づけるのではなく、何を心配し、何を求めているのか、丁寧に聞き取り、理解することが肝要です。