DXの第一歩は「経営者の目標」の見える化です

DXは、システム化とイコールではありません。むしろ、性急なデジタル化は、企業成長の足かせになる可能性があります。


組織の「今」は、過去の実績の積み上げです。良くも悪くも、過去の活動の結果です。

しかし、DXは「未来」を創造する活動です。未来を創造するという事は、過去を否定すべき場面も沢山あるという事を意味します。今までと同じ事を行うためにDXを行うと、過去の悪い点も固定化されて、飛躍のチャンスを潰してしまいます。

では、新しい未来を創造するには、どうすれば良いでしょうか。今までとは何を変えていかなければいけないのでしょうか。

それは、経営理念や目標を暗黙知から形式知化することから始まります。

すでに、多くの企業では「社是」や「社訓」から始まり「経営理念」や「経営目標」を制定しています。しかし、目標を達成するために経営資源を集中させていないケースが沢山あります。

例えば「我が社は、○○を広めて生活の質を向上を図ることを使命とする」とした場合、具体的に○○を広めるための戦略を練る必要がありますが、急成長を遂げている企業の多くは、その戦略は、経営者の頭の中にあり、一部の社員しか伝わっていないものです。

つまり、○○を広めるという社のミッションと、個人が考える仕事との間に因果関係がなく、自分の価値観で仕事を行っている場合が多いのです。すると、その仕事自体が社のミッションと乖離し始めます。小さな組織では、その乖離の影響も、経営者の強いリーダーシップで目立ちませんが、大きな組織に成長すると、大きな障害になります。

この乖離を内包したままでDXにと取りかかると、全体最適化されない個別最適(担当者の思いが強い)仕組みが出来上がり、システム化の効果がない投資になります。

このような間違いを犯さないためにも、経営者の思いや理念、経営目標を形式知化して、その目標を達成するために業務はどうあるべきかを考え直し、戦略を構築しなければなりません。

その戦略に沿って、業務改革により業務を簡素化したり、廃止したりします。目標に直接結びつかない仕事は、本来の仕事ではありません。下手をすると、担当者の自己満足のために行っている可能性もありますし、すでに役目を終えた仕事かも知れません。

まずは、過去の事は一度置いておいて、自社の強みを活かすにはどうすれば良いかを考え、本当はこうありたいという理想形を頭に描いて(暗黙知)から形式知化(文書化)して、現実とのギャップを認識してから業務改革に取り組みましょう。

​この目標設定と業務改革方針策定が、今後取り組むべきDXの骨太の方針となるのです。